インドって東南アジア?

デリー大学留学中。ヒンディー語の能力向上、インドを知り、自分を見直すためのTHE自己満。見たくない人は見なくて結構。

「もてなし」

半年ぶりの自分の部屋は半年前のままだった。自分の頭の中で、事故後もそのままにしているんです、あの子が帰ってくる気がして、と母が誰かに言った。

わざわざ家族のラインに送るほどでもなかったから、見せずに溜まってしまった半年ぶんの写真を両親に見せた。ふたりは待って、待ってと言って、急に散り散りになった。それぞれの老眼鏡を持ってきて、着けて、ここ行きたいな、と話している二人を見て、さっき話していたときも、自分の顔はあんまり見えてなかったのかな、と思った。

滞在中、母がインスタを始めた。SNSをしてみたいけど、個人情報が流出するのを異常に怖がる母のインスタには、フォロワーが五人しかいない。だから、誰が「いいね」を押していないかすぐわかる。投稿し終わったらすぐに、投稿したから「いいね」押して、と俺に言った。そうやってもらう「いいね」は嬉しくない気がしたけれど、押してあげたら素直に喜んでいた。フォロワーはたったの五人で、しかもほぼ家族なのに、渾身の投稿だった。毎日嬉しそうに言う、インスタに投稿しなきゃ、という言葉は、千人のフォロワーを抱えるインスタグラマーみたいだった。

両親のことが怖くなくなったのはいつからだか、わからない。両親の小言にイラつかなくなったのはいつからだか、わからない。老眼鏡をかけて、これどうするの、と何回も聞きながら、スマホと格闘する両親をじっと見ていたら、なぜか少し泣きそうになった。半年前は気がつかなかったことだった。

 

今日の記事⇒Dainik jagran 1/16, 2019「プラヤーグラージの人々は、沐浴者への崇敬の念をもって客人をもてなした」

後半は羅列が続くため、かなり省略。ガバガバ翻訳

「プラヤーグラージ(注・聖地イラーハーバードから名称変更)で行われる今年のクンブ・メーラーにおける最初の特別な沐浴が行われた。つまり、マカル・サンクラーンティ(注・太陽が黄道十二宮の第九、つまりダヌス宮からマカル宮に入る日。わかるわけないわ、つまり毎年太陽暦1月14日頃)において、遠方から来るおよそ千五百万人のヒンドゥー教徒たちが、ガンジス川、ヤムナー川、そして現在は無くなってしまったサラスヴァティ川の岸辺の合流点での沐浴を行ったということだ。ヒンドゥー教徒たちがプラヤーグラージに着くと、そこの住人たちは彼らの歓待に欠陥を許さなかった。住人たちは、ヒンドゥー教徒たちが困らないように、彼らのために最初から準備をしておいたのである」

現在でも流れているガンジス・ヤムナー川、今は無くなってしまったサラスヴァティ川の合流点がイラーハーバードだ。いくつかの地点で行われるメーラー。イラーハーバードでの沐浴は、聖なる河の合流点であるという特性上、それはもうたくさんのヒンドゥー教徒が集まる。比較的長い間行われるらしく、自分も来週訪れる予定だ。

「バールサン・チョーラーハーにあるSBWグループによって炊き出しが作られた。ここには、国会議員シャーマー・チャラン・グプトによっても毎年炊き出しが作られている。このように、イラーハーバードの都市グーマンガンジにおいては、ボランティアのリーター・モウルヤのもとで、信者たちにキチュリー(注・インドスイーツ)がふるまわれた・・・」

誰が何をしたか、長々とこれからも続く。だるいので省略。振る舞った人たちお疲れ。要はクンブ・メーラーのために、たくさんの個人や企業が露店を出したり、炊き出しをしたりしたということだ。

 

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帰国後どんなものを食べたいと言っても対応して、もてなせるように、うちの冷蔵庫は文字通りぱんぱんになっていた。親にねだったり、欲しいものを直接言えるようになったのはいつからか、わからない。

幼稚園のとき、家族で本屋に行った。どうしても欲しい仮面ライダーの本があった。でもどうしてもこれ買って、が言えなくて、ずっと長い間眺めていて、面白いところなんてあるわけないのに、わざとらしく大きく笑い続けていた。父はそんなに面白いなら、買ってあげようと言った。父も母も、それを知っていた。父と母の優しさだった。そのころは、自分が勝ったと思っていた。そういう可愛くない子供だったから、今何かをねだると、二人は嬉しそうにするのかもしれないと思った。

食えないほどの量のから揚げ。ご飯は五合も炊かなくていい。焼きプリンは三つも食わない。文句を言ったら、嬉しそうな顔をした。全部食べたら、もっと嬉しそうな顔をすることを俺は知っている。顔も、振舞も、過剰なもてなしも、俺が小さい頃の祖父母に重なった気がして、顔を上げた。そこまで老けてないけど、昔より優しい顔が、おかわり?と聞いた。

 

(元記事:https://www.jagran.com/uttar-pradesh/allahabad-city-city-persons-provided-service-of-devotees-with-reverence-on-makar-sankranti-18859532.html